「seveearth」という会の要旨内容はこうである。魂は現世及び霊界を通じて永遠に生きて紆余曲折はあるものの成長を続ける。霊界は魂の故郷である。人は魂 ( 心 ) の成長のためにこの世に生まれ、この世では死するまで肉体 …
カテゴリーアーカイブ: 小説
1-68 日本人の志
優子は大学時代、仲良しの女性5人で「seveearth」いう会を作った。この5人は日本の幕末明治時代に活躍した偉人たちのことが大好だった。話をしているうちに武士の志にちなんだ会を作ろうということになったのである。1853 …
1-67 老後
人は身体のそこここが思うようにならないようになると歳を重ねていると気づくものである。自分たち夫婦が若いころ・・・・それは戦後復興期の経済は右肩上がりの波が続いた。君江は君江なりに夫の経営する印刷会社の仕事を手伝い、家族の …
1-66 家族の問題
今日の夕食は君江と光男とゆむいは同じテーブルで食事をした。二人は初めてではないのにまるでめずらしいものを見るような様子だったし、意識しているせいかちらちらと互いをうかがう感じが君江にはおかしかった。光男は日頃から用事がな …
1-65波打つ生命力
昨晩、娘の優子が孫のゆむいを「一晩、預かってね」連れてきた。{ 見た目には普通に見えるんだけど、、、 }とゆむいの様子を見て君江は思う。夕食を終え、ゆむいは窓際にある鉢植えの花々のそばで絵本を見ている。{ やっぱり女の子 …
1-64 交渉の結果
「ルルルルルルル、、、ルルルルルル、、、はい、もしもし、、、あぁ、、そう、、、そうわかった。それでケンちゃんはどっちがいい? 今日、泊まるところなんだけど温泉じゃなくてもいい? あ、そう、わかった。お任せでいいの? うん …
1-63 交渉
和田はケンに連絡をしてみることにした。「どうだ、ケン、今どこだ?」「ついさっき伊豆高原に着きました。そちらの場所を探しています」「そうか、どうしてもわからなくなったら連絡くれ」{ やっぱり、先ほどまでのケンは伊豆高原に到 …
1-62 人の特殊能力
横を向いたまま応えるチエが急に大人びたように見える。「はあ、そういう考え方もあるんだねぇ、、、チエ、ケンは今、どの辺を走っているかメールで尋ねてみてくれ」「はい、、」チエは携帯を出して得意のメールを打ち始める。夜の暗さの …
1-61 死んでもらいます。
浴衣に着替えた二人が下駄の歯を敷いてある砂利をぎしり、ぎしりときしませながら、ペンション「ソリエ」の出入り口から出てきた。 「おい、あれは対と女だぞ。 どうだ、そうだろ?」 「あ~、そうです、そうです」 和田は早速ビデオ …
1-60 半月
1-60 夜空のたもと遠く前方に停車しているタクシーのほうからそのエンジン音の強弱が伝わってくる。{ あのタクシーはユーターンをしているのだろう。ということは対と女はそのタクシーから降りたはず }やがて前方のタクシーがこ …
1-59 地の利
タクシーは走り出すと、すぐに和田は話しかけた。「運転手さん、、、その先のところを右にぐるっと回ってください、、、、、、、そう、そこを、、それでもう少し先であちら向きにして停車してください」運転手の肩越しに腕を伸ばして指し …
1-58 葛藤と沈黙
{ もしかすると、、、間違っていたのかも、、、}さっき一度見失ったときにチエに「お前はそっちのほうで見張っていろ、絶対見失うなよ」と和田は指示していたような気がしてきた。{ 、、そうかもしれない、、、いや、確かにそうだ、 …
1-57チャンス
すぐに和田はチエに電話をかける。「おい、チエ、駅に向かって左側方向に人がいるだろう」電話に出たチエに「もしもし」も言わずに和田は怒鳴りつけるように言葉を放つ。「はい、、」「わかるか?」「、、、、、、」こんどはチエから返事 …
1-56 幸運
しかし、よ~~く見ると暗くてよく見えないが、あの辺にベンチみたいなものがあるようなないような、、、}和田は目を凝らした。さすがの私も心細くなって後ろ側の駅方向を振り向いた。やはりこんな状況の中、チエの姿は見えない、、、、 …
1-55 岐路
チエと和田は改札前近くまできた。一瞬、チエは情けない顔をしている。対の次に乗車チケットのチェックをしようと改札口にきていた下車客を和田は追い抜く。その下車客は、私たちの割り込みを{ 何、何、? } とばかりに目を白黒させ …
1-54 窮地を前にして
対と女の二人は座席に着くやいなや買ってきたビールを取り出して飲み始めた。対のバッグと女の荷物は頭上の荷物置きにすでに載せてある。幸運にも和田とチエは彼らから頃合いのいい後方側に座ることができた。「女のほうはそんなに若くな …
1-53 緊張
心のどこかで諦め、いや諦めたくないという気持ちが錯綜しているさなか垣間見えた。{ あっ、あれ? }それはほんの瞬間だった。{ あっ、いたっ、、あれだっ、}希望のともし火が{ ぽっ! }と灯ったのだ。{ それっ! }っとば …
1-52 発想の応用
その矢先、対らしき人物が出てきたではないか。{ あれれっ、対じゃないか? }予想より早い。早すぎる。こと調査というものは予想を裏切ることはしょっちゅう。しかも必ずと言っていいほどいろんな邪魔が入ったりする。しかたがない。 …
1-51 とびっきりの笑顔
ありがたいこと?にチエは余計な追尾はしなかった。しかし調査初日にしてはどっと疲れた。ビデオカメラで建物などを撮った後、今日の調査を終わりにするつもりで、さりげなくチエの方向を向くと近づいていたチエは和田にとびっきりの笑顔 …
1-50 本物の対
和田の声に反応して変な顔を向けながら去っていく。「えっ、どうしたんですか?、、、、」とケンの声が受話器から聞こえてくる。「いや、何でもない、こっちのことだ、、、」和田は今の状況を手短にケンに話す。まったくチエには気が気で …
1-49 尾行前
和田はしびれを切らして突然、車の窓ガラスを開き怒鳴った。「二人ともこっちへこい」突然の怒声にびっくりした二つの顔がこちらを凝視している。車の中でじっとしているわけにはいかない、、これから愚痴に似た私の説教?の始まりである …
1-48 問題の突破口
生きていると何がしかのことが起きる。それを解決したり、突破したり、克服するにはさまざまな要素が必要である。その大事な要素の一つはまずはそのことを受け入れて観察することから始まる。どこまで深く観察できるか、できているかが鍵 …
1-47 許せない
ドアのところで覗こうとポッンと立っていた幼いうむいは危機一髪だった。そのドアを片足で蹴った夫の純一の行動から優子は身を挺して幼い娘のうむいを救った。さすがに夫はばつの悪そうな顔をして自分の部屋の方に去って行った。優子はさ …
●1-46 夫の暴力
夫の純一はいつものように朝食を食べた。昨晩のことを忘れたかのようだった。朝食を済ませ夫は平然と仕事に出かけていった。足音が消えてから「ふぅ~っ」と妻の優子は緊張の糸が切れたように椅子にへたり込んだ。昨晩遅く、酒臭い息をし …
1-45 いったいどこに
早苗は実は優子にとって命の恩人だといっていい。ある真夏、当時、同じ大学生のいつもの仲良し5人で、静岡県のとある山のふもと近くでキャンプをしていた。東京ではほとんど見られない湧き水か、そのキャンプ地から少し歩くとあり、澄み …
1-44 再会する友情
夫は地元の大阪で悩んだ末に退職し、自分の会社を興こすためにこの東京に移り住んだ。 それから数年経った。「会社を大きくして営業所を全国各地に作るぞ。金がいくらあっても足りない」と酒の匂いをぷんぷんさせながら携帯電話でし …
1-43浮気の前触れ
夫の純一が妻の優子の父である尾崎義三に会社経営の相談がしたいと言い出した時には夫の意気込みを感じていた。それに優子は大阪で純一と姑との三人で住む境遇を打破したかったこともあるし、久しぶりの東京の生活を思い出していたのだっ …
1-42 商機
しかしだからといって引き下がるわけにはいかない。充分な広告宣伝の資金のあるはずもないのだから、毎日毎日同じことの繰り返しであるが、自分たちなりの売り込みを続けるよりほかはない。、、、そして、、、これが創業という大きな壁な …
1-41 創業のとき
泉純一は「エアプリティ」社は東京都渋谷区道玄坂に起業した。前の会社の後輩二人が協力してくれるので三人で発足することになった。会社の出資金は純一の貯めていたお金を使った。それとともに実はその金額以上を妻である優子の父、尾崎 …
1-40 いじめからの回避
純一の望みを考えると美佐子は昔を思い出す。美佐子の夫は子供たちが幼いころに交通事故で亡くなっていた。生前の夫は普通ではなかった。賭け事が大好きで酒は毎日あびるように飲んだ。仕事は土木関係で天気が良ければ出て行って働いては …
1-39 いじめと教師
母からなにがしかのお金を持たされていた純一たち兄弟だったのだが、しかしお金があったから、純一はクラスメイトの一部の不良たちから執拗にまとわりつかれたのかもしれない。いじめというもの見てもまわりの人の多くは助けようとはせず …
1-38 母と息子たち
その頃、息子の純一が東京で事業を起こすとの意気込みを示したのである。東京は大阪から新幹線で2時間ちょっとくらいではあるが、美佐子にすれば純一がもし、この大阪から離れて生活するというのだからすこしばかり滅入ってしまう。「会 …
1-37 転機
、、、その方法、、、、、義三は経営していた印刷会社をたたむと同時に所有していた不動産を売却することにしたのである。昭和の高度成長時代に勧められるままに土地や購入していたマンションが、いくつかあった。そのいくつかの不動産を …
1-36 起業と閉業
聞いてみると夫の勤めている会社の早期退職希望者の募集に応じることにしたというのだ。優子は{ それは相談ではなくて、もうすでに決めていることじゃないの }と思ったが口に出しては言わなかった。バブルのはじけた数年後のことだっ …
1-35 結婚のとき
{ 今日は何時に帰るのだろうか?、、、、 }それでもそんな淡い期待をしている自分に気づく。{ 私たち夫婦がこんなにギクシャクし始めたのは、、、、 }「結婚と恋愛とは違う」とはよく聞くことで、恋愛している熱い二人にはまわり …
1-34 永久に生きる
流れる川の上流を根源まで辿っていけばそれは無数の水滴にたどりつく。 水滴一粒一粒は結び合いながら川の流れとなり大海へと向かっている。 人生という川と海に漂いながら、人は嘆き。苦しみ。歓喜する。欲望を追求し。優劣を比較し。 …
1-33 松本潤の突飛な行動
コンサート会場の出入り口では係員にチケットを渡すとそれを器械に通し、本物かどうかをチェックしたのちに通過することになる。なるほどここでチケットが本物か偽物かがわかるのである。とすればさっきの偽物をつかまされた二人の日本人 …
1-32 嵐の上海公演
2008年11月14日、チエは嵐の上海のコンサートに参加しながら行方不明の愛早苗を探すべく上海市内にある早苗が予約していたホテルに泊まることにした。どう調べてみても彼女はチェックインはしておらず気配さえなかった。翌日、チ …
1-31 埃の調査
チエは口惜しそうな顔をし、ソウルでの早苗の形跡は見つからなかったと報告した。「そうか、わかった。それで由比、、君のほうの早苗の自宅マンションのほうばどうっだった?」「あ、はい興味深いものがでました。監視カメラの画像では1 …
1-30 シンガポールでの行方調査
ここは探偵社「二人の幸せ研究所」の会議室。和田所長がシンガポールから、そして調査スタッフのチエは韓国のソウルから帰国したあと、ほかのスタッフとともに会議室でミーティングが行われていた。和田所長が説明している。「2008年 …
1-29 韓国の嵐ファン
チエは嵐のコンサートが始まる前にその会場となるフェンシング競技場の周辺で早苗を見つけることができなかった。このソウルの会場では、日本のどの会場よりも厳しいチェックが待っているように思っていたのだが拍子抜けがした。というの …
1-28 嵐のソウルコンサート会場
チエはこの公演当日、早めにフェンシング競技場に到着した。というのは、もし早苗が嵐のソウル公演に来るとすれば、当日の朝から販売される嵐のグッズを購入するに違いないとの早苗の親友である泉優子は言っていたからである。早苗は早め …
1-27 嵐のコンサートチケット
夏も過ぎ去った2008年10月30日、探偵社の所長である和田と行方不明になっている早苗の父の愛啓介はシンガポールへ、そして同じ日、スタッフのチエはジャニーズの嵐が開催するソウルへ向けて飛び立った。シンガポールは一年中常夏 …
1-26 依頼者からの電話
純一の浮気調査報告書を優子に渡した数日後、、、その優子からの電話だった。和田に一通りの挨拶をしたあと、、、優子は言い出した。「実はこの間の調査の結果資料を見直したのですが、さすがプロの方だなと思いました。きれいに証拠が撮 …
1-25浮気調査結果
和田のイヤホンから聞こえるのは女の声だった。「、、ふふふっ、、ねぇ、私もいい年になってきたのょ、、どうなっているの、うちのマミーも心配しているし、、」その女の声が聞こえてきた。探偵社「二つの幸せ研究所」のスタッフが泉優子 …
1-24 シンガポール機内にて
依頼された翌々日、探偵の和田は早苗の父である愛啓介とともに娘の早苗の消息を探すべくシンガポールへ向けて飛び立つことになった。機上になった二人の話が一段落したあと、和田はどっぷりと座席に深く座り、思いにふけっている。先ほど …
1-23 煩悩のともしび
後ろ側にあるベッドで宇多田は眠っている。したたかに飲んだウィスキーのせいで、ときどき胸を膨らませている。金曜日の夜でも駅近くのMホテルには禁煙室があった。早苗は居酒屋を出たあと宇多田と別れてもよかったのだが、もう少し相談 …
1-22 渦巻く恋心
宇多田の胸中に渦巻くものがあった。早苗の話によると優子はすでに結婚しているというのである。早苗としては宇多田が優子にただならぬ想いをよせていたことを今日、知ったばかりだったが、そうであるなら宇多田に優子の状況を最初から言 …
1-21 嵐の海外ツアー
早苗はウファに入店してきた優子に手を振った。宇多田はすれ違いに優子に会釈をしながら早苗のテーブルから遠ざかった。優子は「あ~、暑いわね、今日も、、、」と言いながら早苗の向かい側に立ち「それでね、今日は悪いんだけど少し早め …
1-20恋する人への想い
優子と早苗が先日、7年ぶりに訪れた喫茶店「ウファ」。その帰り際の優子は「また伺います」言ってくれたのだが、店長の宇多田は不安な気持ちで過ごしてきた。その言葉を頼りに待つ身の不安とうきうきした気分はあったものの、これまでの …