愛早苗の父の啓介は埼玉でコンビニエンスストアを経営している。母の恵子は結婚後ほどなくして良太と早苗を産んだ。両親はこれといった趣味がなく、たまの温泉旅行が楽しみで、老後のお金を貯めるのが趣味みたいなものになっていた。子供 …
月別アーカイブ: 2020年11月
1-82 安心と安全とは
愛早苗は28才だった。あまりにも若すぎた。人は大事がなければ老衰か、多くは病をもって死を迎えることだろう。事故はあるにはあるが、まさか事件に巻き込まれることなど想像がつかない。それに愛早苗のように他国でこのようなことにな …
1-81 世界に一つもない事例
ここはシンガポール某大学法医学部特別教室にて現地の監察医が説明をし、その都度、通訳官が日本語に通訳をしている。そばには検視官、警察官が同席している。日本からは行方不明だった愛早苗の父、愛啓介と母、恵子とともに探偵社の和田 …
1-80 ゼロベースの心
娘の早苗の行方が分からなくなってもう一年近くなる。早々に父の愛啓介は探偵社の和田とともにシンガポールへ赴き、シンガポールの警察に早苗の行方不明の調査を依頼していた。和田はいつでもDNA鑑定に使用できるように早苗に関する …
1-79 謎
探偵社「二人の幸せ研究所」の和田は愛早苗の父の愛啓介と親友の泉優子に電話連絡をした。ジャニーズの嵐を誰かが撮った動画の中の男についての報告と心当たりがあるかどうかについてである。それとともに愛啓介には明日、探偵社のスタッ …
1-78 静かなる池に小石を投げ入れてみる
ここは探偵社「二人の幸せ研究所」である。「これです」とチエは切り出した。百聞は一見にしかず。問題の部分は話すよりも上司の和田にはyoutubeにあるshotennokiを見せたほうが早いのだ。「、、、どれ?、、、、」ジ …
1-77 動き出すlove so seeet
輝いたのは鏡でも太陽でもなくて 君だと気付いたときからあの涙ぐむ雲のずっと上には微笑む月 Love Story またひとつ 傷ついた夢は 昨日の彼方へ空に響け 愛の歌 思い出ずっと ずっと忘れない空 ふたりが離れていって …
1-76 例外
優子は二つ折りにした座布団を敷き、お尻の後方半分くらいを乗せ、半跏趺坐(はんかふざ)の足組をした。前方に倒していた上半身を静かに垂直方向に起こしてゆく。腰椎下部をぐっと前に出すようにして左右に揺らしながら天と地の中に身体 …
1-75 野望
幼き頃から大きな病気なったことはなく健康だと思っていた純一。しかし最近の身体の調子が何が何だかわからないでいる。いつものようになんともない状態がほとんどなのたが突然、少しずつおかしくなってくる。そしてついには立っていられ …
1-74 パニック障害
純一はいくつかの病院で診てもらった。しかし納得がいくような返事がもらえていない。調べてもらうといくつかの臓器の機能は年相応には弱っているらしい。ところが特に異常なところはみられないという。別の医者は「そうですねぇ、、スト …
1-73 初めての異常
{ 、、、なっ、、、}純一は自分に異常を感じ始めている。 いままでにないものを感じている。{、、どうしたんだ、、、}すでに背中と両脇に冷や汗が出始めていた。それでも自分の資料を片付けているふうを装っている。その純一にクリ …
1-72 異常前
その中心的な役割にあったのが社長秘書の一人、若林奈美だった。奈美は新宿にある本社で社長秘書数人の中の一人として勤務していた。社長秘書数人はプロジェクトごとに分かれることがある。いわばプロジェクトごとのメッセンジャーであり …
1-71 戦略
泉純一と浮気相手である若林奈美はクリーンシェア社で繋がっていたことが判明した。「二人の幸せ研究所」では平行して純一の銀行関連についての割り出し調査も行おうとしている。調べていくと純一の仕事についてはあるプロジェクトが進ん …
1-70 生き物の怖さ
その日、探偵社「二つの幸せ研究所」の和田は依頼者の泉優子に二回目の調査結果について説明している。夫の泉純一の浮気相手は若林奈美という。どこかしらエクゾチックな顔だちの27歳である。東京都中野区に一人住まいだった。勤め先は …
1-69 seveearth
「seveearth」という会の要旨内容はこうである。魂は現世及び霊界を通じて永遠に生きて紆余曲折はあるものの成長を続ける。霊界は魂の故郷である。人は魂 ( 心 ) の成長のためにこの世に生まれ、この世では死するまで肉体 …
1-68 日本人の志
優子は大学時代、仲良しの女性5人で「seveearth」いう会を作った。この5人は日本の幕末明治時代に活躍した偉人たちのことが大好だった。話をしているうちに武士の志にちなんだ会を作ろうということになったのである。1853 …