修業

1-169 修業
その瞬間、うむいは「あの人」のことを思い出した。
「あの人」、、、、、。
お母さんがときどき静かにして座っている姿と似ている。
「あの人」はあの世では想像もつかない高いところにおられた。
ところが理由があってこの世に降りてこられたのだ。
何故だろうと思う。
しかもこんなじめじめした暗いところに。
うむいにはわかっていることがある。
「あの人」がこの世に来られた理由はご本人はわかっていらっしゃるということだ。
うむいだって、あの世のことは覚えている。
そんなとき、うむいは「あの人」の様子を観たのだ。
はるかに高いところにおられたはずの「あの人」ならば、思い立ったら、何かしようとしたら何でもできると思う。
ところが、ただただ座っていることが多い。
ほんとにほんとに不思議だ。
時間を惜しむかのようにずっとお母さんと似たような坐り方で坐り続けている。
もしかすると坐りながら眠っていらっしゃるのかもしれないとさえ思う。
「あの人」はこの世の人に何かを伝えたくて、何かをしたくて来ていらっしゃるのだと思っている。
この世の人たちに何かを伝え、この世の何かを変えていくには、どうしたらいいかを考えていらっしゃるのではないかと思う。

でも何故、坐り続けなければならないのだろう?
もしかするとあの世で高いところにいらっしゃる方でもこの世のことを修業される必要があるのかもしれない。
さっきはあ母さんから教えられて「生きる」ということを勉強しようと決めたばかりのうむいだった。
お母さんも「あの人」も修業みたいなことをされているのだから、そのやり方を教えてもらおうかなと思う。
でもどうせ教えてもらうのなら、断然「あの人」からがいい。
だけど「あの人」の修業の様子はすごすぎる。
うむいには到底無理だろうと思えた。
厳しい修行のように観えた。
だから「あの人」のお邪魔になりたくないし、教えてほしいって申し出る勇気が出ないでいる。

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