生体反応を観る

1-142 生体反応を観る
福田医師は二人の患者に施術をしたあとに再び、話を続けた。
「すべての病気は意志とは無関係に内臓などの働きを調整している「自律神経」の乱れによって引き起こされているんですよ。
この自律神経の交感神経というものが優位になると心臓の拍動が高まったり、血管を収縮させて、筋肉が緊張したり体は活動的になります。
もう一つの副交感神経というものが優位になると、心臓の拍動が低くなり、血管が拡張して血液循環が良くなり心身がリラックスします。

この交感神経と副交感神経のバランスがよく働いているうちは安心なんです。

この辺まではわかっていたんです。
ところがねぇ、私のちょっとした疑問点から始まって安保先生と共同で研究をすることになったんです。
膨大な血液データもとりました。
するといろいろわかってきた。
それはね、自律神経は内臓の働きを調節するだけでなく、体を病気から守る白血球の働きも調節しているということがね。
その白血球の95%くらいを占めている顆粒球とかリンパ球の働きを解明できたんです。
つまり自律神経の乱れが白血球の顆粒球とかリンパ球と連動していて、それを見ていれば病気になりやすいのか、治りやすくなっているかがわかるようになったのです。
それらのバランスが大事だと、そういうことがわかってきた。
これは大きな発見だった。
私からすると病気の大半はストレスからですね。
交感神経の緊張が病気の引き金となっていることが多い。
ところが、臨床で使っている西洋薬はいずれも交感神経を緊張させる作用を持っているんです。
だから、もともと交感神経の緊張状態で不調になっている人が、その症状をとりたいために医者から勧められた西洋薬を飲めば、血流はいっそう悪くなり、顆粒球の増加、リンパ球の減少が促進されて体は病気を治そうとする力がどんどんなくなるわけです。
つまりね、病気が起こりやすく治りにくい体調へと導いてしまっている現代医療の現状に私は気づいたわけだ。
例えば、鎮痛剤のアスピリンとかインドメタシンとかケトプロフェンがある。
体内にはプロスタグランジンというのがあって、なにかあるとこれが知覚神経を過敏にして痛みを起こし血流を増進させる働きをします。
ところが痛みの症状を抑えるために鎮痛剤を飲むとせっかく血流を拡張し増進させようとする働きをしようとしていた体が鎮痛剤によって阻害される。

痛みそのものは治まります。
しかし血流障害は悪化するんです。
根本原因が治らないどころか体の作用は血流を良くしようとしているのに薬で痛みは治まるが血流が阻害されることになる。
すると体は薬の作用を乗り越えて体内のプロスタグランジンはさらに働こうとして再び、痛みを起こして血流を良くしようとする。
するとまた薬を飲む。
また痛みは治まるが血流が阻害される。
という具合で薬が手放せなくなり長期に飲んでしまう。
すると長期に悪化した血流障害によってめまい、耳鳴り、胃炎、高血圧、糖尿病などの新たな症状や病気が引き起こされていくんです。
それでも体は乗り越えようとするために新しい症状が出てくるんです。
さらにその新しい症状をおさえるための薬が加わって、一層の悪循環に陥るわけです。
体内にあるプロスタグランジンというのは痛みを出して血流をよくしようとするだけでなく、交感神経の緊張を抑える作用もあるんです。
このプロスタグランシンの産生ができないと交感神経にブレーキが掛けられなくなって顆粒球が増えて活性酸素が大量に発生することになります。
その活性酸素が組織破壊をしてくるわけです。
私はね、発がん原因の多くは薬物の連続使用による組織破壊にあると考えているんです。
医療の現場で間違った治療が行われている原因は人が不快だと感じる症状をすべて悪者扱いにしてしまっていることにあるんです。
インフルエンザに罹ったときには高熱が出て節々が痛むし体がとてもだるくなるでしょ。
食中毒でも発熱し、下痢や嘔吐という症状がおこりますよね。
ウイルスや毒物が侵入すると体は反射的に副交感神経を緊張させてリンパ球を増やして血流を促進させて排泄能力を高めようとします。
その結果、発熱や痛み、下痢、嘔吐などの症状が出るのです。
それらは病気を治そうする生体反応だと自覚するべきなんです。
それにね、これが精神的ストレスだったら、安易に薬に手を出すべきではありません。

薬が毒になります。
それで薬で症状を抑えるのではなく、体が治ろうとする力、免疫力を助け、増強する工夫をするべきなんです。
いろいろやっていくうちに患者さんが教えてくれてね、効果が出てきたんですよ。
と話が続いていた。

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