1-131 いつまでも

宇多田の優子への熱い想いは酒とともに体内を駆け巡っていた。
長い間の鬱屈した宇多田の感情を早苗の前にさらけ出していた。

大好きな気持ち ホントのこと 伝えきれずもうさよなら
元気で暮らしてと いつもの場所 ふたり無理に笑いながら
未知の上はしゃぐ 踊る未来の粒
真っ白な想い出を 胸にしまった日の約束
君と生きた毎日 ただ君だけを愛した日
たぶん僕のすべてが君のそばにあった
当たり前の毎日 二度と逢えぬこの日を
どんなときも忘れないように こうやって時を止めたい
こんなに辛くて忘れたいよ あなたの声 優しい手
諦めたくて逃げたいほど情けなくて いつも一人

たぶん君のすべては僕のためにあった
もう帰れない場所が こんな風に過ぎ去っていく
どんなときも忘れないよ こうやって時を止めたい
離れてくなんて 思わなかった ふたりのすべて いつまでも

その夜、宇多田は早苗の前であびるほど酒を飲んだ。
そしてその視界に女の身体が触れたとき、男としての本能が疼いた。
優子でないことはわかっている。
乱暴な本能ではなかった。
熱い酒に酔いつぶれそうな男の様子に女は純情を感じていた。
そんな男に女は素直になった。
ホテルの夜の静けさがシーツの音を滑らせていた。
そして二人は何度かの逢瀬を交わすことになる。
そのときのいつか、早苗はメモリーを置き忘れていたのだった。
最後に残した消えない記憶。
いつまでも

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