1-16 北朝鮮やアフリカと日本


「だけど北朝鮮やアフリカの一部もひどいもんだぜ。飢餓があっても海外からの援助物資が末端まで行き渡らないというんだから悲惨だぜ」
「民衆の生活をもっとよくするために国家を改革するんだと言って革命を起こした後は、その理想とした共産体制が民衆のものになっていない。それどころかもっと苦しくなっていくってことだね」
「革命といったって血を流した国内紛争だね」
「明治維新とは違うね」
「改革したころはいいんだけど、しだいに政府そのものが腐敗していく、、、」
「改革したものの民衆のためにならなかった。トップの連中に民衆が牛耳られる結果になっている。トップの連中だけが裕福感がある。自分たちの特権を維持するために民衆に飴と鞭を存分に配置している。民衆は生活に楽しみや生きがいがあまりないために産業が伸びない。だから生産性があがらないから貧乏のままになっている」
「俺はあと何年もつかどうかだと思うよ」
「政府に手向かおうとすれば、すぐに牢屋にいれられるし命が危ない。民衆同士が互いに監視しながら見えない圧力を加え続けている。家族間でもだれかが脱北するようなものなら残された者は悲惨な目にあう。そんなことをされないようにするかいっそね一緒に脱北するかどうかしかない。しかしいつかは民衆は爆発すると思う。何らかの方法で。法則みたいなものなんだ。だけどその爆発するまでがたいへんな道のりに思えるね」
「インターネットが革命を起こす?」
「まあ、それにくらべれば現代の日本は平和なもんだぜ。首相とか官僚がだめだといっても世界からみれば安全安心だし。そう考えていけば俺たちにはそのありがたさがわかっていないかもしれないよな、海外旅行してみればなんとなくわかるけど飯はうまいし、安全だし、俺なんかせいぜい地震が怖いくらいかな」
「でも考えてみれば呑気なことは言ってられないぜ。通り魔や身内の殺人のニュースもあるじゃないか、、、家族だって崩壊寸前のところがいっぱいあるし、、、、子供が親を殴り、親が子供を虐待する、、、、、考えただけでもこれって異常だぜ、、、愛し合っていた夫婦だって、どうなるかわからない。それに自殺で亡くなるのが昔は1万人以下だったのが1998年には3万人以上になったっていうぜ。1日80人以上にはなる。暗い話はしたくはないけれど、世の中、どうなっていくんだろうと思うことがあるよ」
「日本はそうだろうけれど、深刻なところが世界中にいっぱいあるぜ。明日のことよりも今の飯がない生活をしている人たちが世界中にたくさんいる。先進国では精神的に悩む人が多いだろうけれど、それより世界には今、生きるためにどうすればいいのかさえわからない人たちがいる、、、」
「そんなふうにしたのはいったい誰なんだ?」
「誰というより、探っていけば人間の心の中にあるというよりほかない?」
「あぁ、、言葉がないね、、、つきつめればね」
「それに比べりゃあ、日本の通り魔や子供の虐待なんかは、精神異常者が自分のフラストレーションを解消しようとしているような気がする」
「だけどもし日本の自殺者が毎年数万人になっているとすれば怖いものがあるよな。考えてみれば年間3万人いるとすれば10年間で計30万人、100年間だと計300万人もの死者ということになる」
「災害でもあまり聞いたことはない数だね」
「考えてみると100年間で計300万人も死亡するとなると、これって第二次世界大戦の日本の死亡者数に匹敵するんじゃないの?」
「まるで日常における個人戦争だね」
「自殺する人が年3万人ならば、それに準じて精神的にも生活的にも困窮している人たちは、もっといるということじゃないの?」
「そうだろうね」
「だけど政治家が問題提起してるのはあまり聞いたことはないよね」
「票にはならないだろうからね。票になるのは多くはお金に関することだよね」
「その精神的なものは個人が解決すべき問題だろう。国が人の生活の内情まで心配をするなんてあまり聞いたことがないぜ。ただもう数万人になっている。悩み相談室というのはよく聞く話だね」
「だけど虐待には、国が手助けをするようになっているじゃないの?」
「それは抵抗しようもない幼い子供や弱い人を助けるためだからね」
「たしかに自殺は個人的なことだからね」
「でもいじめで苦しんでいる子供たちもいるよ。いや大人もかな?」
「どちらにしたって、そういうことは専門のカウンセラーの仕事じゃねぇの?」

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